先ほど、分散型SNSのプラットフォーム「Mastodon」で運営されている大手コミュニティ「Pawoo」の事業が他者に譲渡されるというニュースがありました。

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Mastodonインスタンス「Pawoo(パウー)」事業譲渡のお知らせピクシブ株式会社
公式アカウントのトゥート
Pawooサポート: “いつもPawooをご利用いただき、誠にありがとうございます。 ピクシブ株式会社は2019年12月…” – Pawoo

 私自身は、Pawooにはアカウントを登録していないため、直接的には影響はないのですが、(特に日本の)Mastodon界隈にとっては、非常に大きなインパクトのあるニュースです。

 2017年4月に、日本でもMastodonブームが始まり、瞬く間に日本人の間にもMastodonをはじめとする「分散型SNS」が広まってゆくこととなりました。

 かつて、世界の三大Mastodonサーバと呼ばれるところはすべて日本の個人もしくは法人による運営でした。Pawooも、「mstdn.jp」「friends.nico」と並び、三大サーバに名を連ねていて、一時は世界最大の規模を誇っていました。その一方で、海外ではPawooに投稿される画像が問題となり、海外のMastodonサーバの多くが、Pawooをドメインブロックする事態にまでなりました。

 良くも悪くもMastodonの世界に多大な影響を及ぼしてきたPawooも、ついに事業譲渡です。

 譲渡先は「株式会社クロスゲート」、運営会社は「株式会社ラッセル」というところであるようです。自分自身はこれらの会社の情報については追いかけていませんが、特に前者については情報が少なく、今後のPawooの運営を不安視する向きもあるようです。

 なお、今後のPawooの運営についてですが、公式アカウントのアナウンスの中で、次のように述べられています。

現在お使いのアカウントは引き続きご利用いただけます。(pixiv連携によるログインもご利用いただけます)

 とりあえずは、Pawooユーザにとっては「直ちに影響はない」状況であり、まずは一安心だとは思いますが、先述の三大Mastodonサーバの残り2つの状況を考えると、決して楽観視はできません。

 「friends.nico」は株式会社ドワンゴによって運営されていたMastodonサーバですが、こちらは今年の4月に運営が終了されています。

 「mstdn.jp」は、日本におけるMastodonブームの起源となったサーバであり、しばらくは個人による運営が続いていましたが、企業による運営に移行してからは厳しい運営が続き、ここ数ヶ月ほどは、接続することすらままならない状況が続いています。

 Mastodonサーバは、それを運営することによって1円の利益も生み出しません。そもそも、公式サイトで広告フリーを明言していますので、Mastodonの文化を尊重する気がある運営主体であれば、広告を掲載するわけにはゆかないでしょう。そのためもあってか、ほとんどのMastodonサーバは個人による運営です。

 その中で、Pawooは「ピクシブ株式会社」の自社サービスとの連携もあり、それそのものは直接利益を生み出さなくても、これまで(少なくとも端から見る分には)堅調な運営を続けてきたように思えいます。運営もきちんと仕事をしているという印象がありました。

 今後も同様の体制が維持されるかどうかはわかりませんが、わざわざ運営会社が変わることを考えると、完全に同一は無理でしょうし、最初はよくても来年、再来年あたりにどうなっているのかは、予測だにできません。

 先日の「ムトー」サービス終了の件や、今回のPawoo事業譲渡の件などを考えると、今後ますますMastodonには営利企業が参入しづらくなります。ただ、Mastodonは、個人が小規模なサーバを立てるにしても、それなりにお金を食います。

 おそらく今後は、Mastodonは個人のブルジョア層を中心に使われてゆくのではないかと思います。

 個人的な願望としては、(特に日本では)政治家や政党、市民団体にも、分散型SNSによる情報発信の輪が広がってほしいと考えております。大手SNSで情報発信をしていると、まず間違いなく邪魔が入り、デマを流されてそちらへの対応に追われてしまいます。日本の野党政治家の発言に対しては、毎回と言っていいほど、悪意ある妨害工作が入ります。そのリスクを軽減するためにも、政治家や政党、市民団体には、自らが主体的に情報を発信できる媒体として、分散型SNSを検討してほしいと思います。

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